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「LGBT」など性的少数者の人権、セクシュアリティの多様性、クィア論、男女共同参画などや、そうした観点に引きつけてのコミュニケーション論、メディア論、「アニメとジェンダー」など、ご要望に合わせて対応いたします。
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2023年度の大学講義予定 [出演・講演講師など]

さて、また街は桜咲く季節、今年も4月、新学期の始まりです。
気持も新たに、さりとて無理せず、引き続きぼちぼちやっていきたいものですねノ

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ということで、私・佐倉智美の2023年度の大学講義予定です。

本年度も引き続き甲南大学の非常勤講師として、ジェンダー論の授業を分担いたします。
担当教員が集まってパネルディスカッション形式で内容を深化する回も例年どおりです。
新型コロナウィルス情勢はもちろん注視していく必要がありますが、いちおう今年度は全学で対面オフラインの通常授業がおこなわれる方針になっています。

 《シラバス情報》
融合フォーラム[ジェンダー論]後期:木曜3限
第13回 ポピュラーカルチャーとクィアセクシュアリティ 佐倉智美
第14回 ポピュラーカルチャーとフェミニズム 佐倉智美
第15回 まとめとディスカッション(大谷祐二・鹿野由行・佐倉智美・西欣也)

え゛~ で、見てのとおり、本年度は担当の題目が昨年度までのパターンから少し変わっております。
要するに[アニメとジェンダー]系の内容ということになるでしょうか。
……もぅこっちが本職!?
いちおうはいろんな事情とのかねあいの結果としての今年度だけの試行的な変更ではありますが、とはいえセクシュアルマイノリティの教員はLGBTについての授業しかできないというのも窮屈です。トランスジェンダー教員がフツーに存在して各々の専門分野で講義している、そういう状況があたりまえになるというのには大いに意義があります。その一端が担えればと思います。
まぁもっとも昨年度なども、性の多様性をめぐる各種の事柄の説明にアニメの事例を多々用いていましたので(学生からはマジで「アニメとジェンダーの先生」という印象になってたり??)、実際には授業の組み立てにおける縦軸と横軸が入れ替わるだけとも考えられます。
※腹案としては[性別越境キャラの系譜と進化][相関図消費と「好きの多様性」][プリキュアが「ケアの倫理」で戦う意味][性表現は何が問題か?]あたりを軸に構成したいです


また大阪大学のゲスト出講のほうも、昨年度と同等の枠組みにておこなうことになっています。
こちらは使用する教科書に合わせて、お題は例年と同じですが、主担の先生の口ぶりではやっぱりアニメの話も期待されている!?
ともあれ入学まもない阪大生の皆様に性の多様性を前提とした学びの姿勢の大切さを伝えたいと思います。
※教科書は例年と同じく『改訂版 ジェンダー・スタディーズ ~女性学・男性学を学ぶ~』で佐倉執筆担当章は第7章( https://est-tomorine3908.blog.ss-blog.jp/2015-04-03_newGSosakauniv

 《シラバス情報》
[社会]『ジェンダーと社会』
 春学期:水曜1~2限
【[題目5]「性別」は「女と男」ではない ~多様な性の混沌を捕捉する 】


  


なお、佐倉智美最新刊『性別解体新書 ~身体、ジェンダー、好きの多様性』は、現時点いずこの講義にあっても最新バージョン授業のベースとなるのは必定です
https://est-tomorine3908.blog.ss-blog.jp/auth_RestrD-2021 )。
公式に「教科書」としての指定があるわけではないですが、伊達と酔狂で買っておく予算をつけるのに損はないですヨ


◇◇
(2023/04/29)
というわけで阪大のゲスト出講は、今年度は他のゲストの先生とのスケジュール調整などの結果、4月最終週にとっととおこなわれました。
受講生の皆様は真摯に受け止めてくれていましたし、以後の授業回に備えての「さまざまなジェンダー問題を安易に[男女の対立]に回収しない心がけ」を伝えた手応えもなかなか心強かった感じです。

◇◇
(2024/01/25)
ということで甲南大学の後期授業もつつがなく済んで、期末レポートも出揃ってきています。受講生の皆さん、お疲れさまです。
今年度は従来の性の多様性にかんする直球のテーマ設定ではなく[ポピュラーカルチャー]を軸にした構成の授業を試行した形ですが、思いのほか受講生のリアクションは良く、結果的には性の多様性についての深い話題にも触れられたと思われます。
事前の予測のように「授業の組み立てにおける縦軸と横軸が入れ替わるだけ」だったというのも一面の真理でまちがいなかった印象です。とはいえ細部のディティールは異なってしまうので、学習効果の面では微妙なニュアンス差もなきにしもあらず。
いわば、受講生が社会化の過程で持たされてきた性別をめぐる固定観念、従来パターンの授業では、その外殻に大きな穴を開けることができていたのに対して、今般の組み立てだと、その内部にある中心核に直接攻撃が届く……といったイメージでしょうか。

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要は、若い世代にも馴染みあるコンテンツから性別二元制についての考察や「好きの多様性」の展望がおこなえる、さらには旧来からフェミニズムが究めてきたテーマともクロスオーバーするということが、クリティカルヒットだったのかもしれません。
…このような気付きに至ることにつながる描写が多々おこなわれているマンガ・アニメといったポピュラーカルチャー作品群について、ジェンダースタディーズの立場から適切に評価されていくことは、もっと留意されていってもよいだろう」ですね。

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