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「LGBT」など性的少数者の人権、セクシュアリティの多様性、クィア論、男女共同参画などや、そうした観点に引きつけてのコミュニケーション論、メディア論、「アニメとジェンダー」など、ご要望に合わせて対応いたします。※これまでの実績などは当ブログ内にまとめてあります
『改訂版 ジェンダー・スタディーズ』にて章担当 [執筆・共著雑誌寄稿など]
共著が新たに1冊、出版されました。
『改訂版 ジェンダー・スタディーズ
~女性学・男性学を学ぶ~(大阪大学新世紀レクチャー)』
編著:牟田和恵
ISBN-10: 4872594975
ISBN-13: 978-4872594973
大阪大学出版会より、2015年4月刊行です。
税別 2400円。
公式解説は…
「人気講義「現代の差別を考える(女性学・男性学)」の13人の講師陣による,ジェンダーにかかわる知・学びへと誘う入門書決定版.「ことば・アートとジェンダー」「家族と性をめぐる変動と挑戦」「ジェンダー視点で考える社会制度・福祉」「グローバル社会とジェンダー」といった多岐にわたる断面から,基礎的な知識のみならず,その背後にある考え方や歴史,思想を習得するとともに,より深い考察に至ることができるよう構成されている.」
……となっています。
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そしてワタクシ佐倉智美は、このうちの第7章「『性別』は『女と男』ではない ――多様な性の混沌を捕捉する」の執筆を担当しました。
第7章「『性別』は『女と男』ではない ――多様な性の混沌を捕捉する」
§1:「性別」って何だろう?
「女である」こと、「男である」こと
「女らしく」「男らしく」しないと変なのはなぜ?
社会が採用する「お約束」
「女性学・男性学」の便宜的アプローチ
§2:「性別違和」と性的少数者
トランスジェンダーと「性別違和」
望まぬ性別での生活
性別を変える困難
社会制度がもたらす障壁
恋愛・結婚そして老いる
§3:問題は「社会で」起きている
男女二分社会と「性別違和」
「性別」のあたりまえ
セクシュアルマイノリティを「社会モデル」でとらえる
誰もが「ありのまま」を生きる当事者
§4:多様な性の深淵を探る
セクシュアルマイノリティのわかりやすい説明を確認する
セクシュアルマイノリティをわかりやすく説明する陥穽
人が好きになるのは自分の好みのタイプの相手
心に性別があるわけではない
身体の性的差異を「性別」にしているもの
「性別違和」も社会に起きている公共の現象
多様な性の混沌はわかりやすくない
§コラム
ミッキーマウスはミニーマウスと同一人物!?
なにぶんにも全13章のうちのひとつという位置づけなので字数にかなりシビアな制約があり、仔細な解説や具体的な事例などかなり削らざるを得なかった部分も多く、説明不足感が否めないところもあるやもしれませんが、そのぶん内容が濃縮された、コンパクトにまとまっていて一気に読み通せる最新理論となっているのではないでしょうか。
他の章も、興味深いテーマが目白押しです。
全体的に、基礎的な事項を総花的に羅列したというよりは、それぞれの切り口において深いところまで掘り下げてある、味のある1冊となっています。
大学での教科書として使う「ジェンダー入門書」という位置づけですが、上級者にも読み応えがあるところが「決定版」たるゆえんでしょう。
読んで損はないオススメのタイトルです。
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