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「LGBT」など性的少数者の人権、セクシュアリティの多様性、クィア論、男女共同参画などや、そうした観点に引きつけてのコミュニケーション論、メディア論、「アニメとジェンダー」など、ご要望に合わせて対応いたします。※これまでの実績などは当ブログ内にまとめてあります

高槻市看護師会の研修会 [出演・講演講師など]

2020年1月31日、
大阪府の高槻市総合保健センターの会場にて、高槻市看護師会の研修会講師を務めました。

知っておきたい「LGBT」
~性の多様性、新常識~


通例どおり、「LGBT」の基本解説に自分の体験談などを交えつつ、多様な性のありようを社会が想定していないことで性的少数者の苦悩が生じるという点も押さえてもらったうえで、看護の仕事の現場に役立つよう留意してお話させていただきました。

◇◇



共通テーマ:資格・学び

滋賀県草津市の小学校でまた講演会 [出演・講演講師など]

2020年1月29日(水)午前、
滋賀県の草津市立矢倉小学校にて、PTA主催「第3回 人権教育講座」の講師を務めました。

みんなちがってみんないい
~「LGBT」も当たり前の社会に。親として学びたいこと~


大勢の保護者のみなさんが集まられて、熱心に耳を傾けていただきました。

またこの日も我が娘・満咲の帯同があり、ウチの親子関係などの紹介や、いまどきの若い世代の立場からのコメントなどは、参加者のみなさんにとって有用だったようでなによりです。

ちなみに当記事のタイトル中の「また」は、草津がそもそも「また」なのと、じつはこの矢倉小学校でのPTA行事で講演するのが2012年に続いて2回め(8年経ってるのでだいたい人が入れ替わってるのでネタかぶり的には無問題)というのもあったりします
(「草津」でブログ内検索などしてみてくださいノ)。

現場はJR南草津駅からほど近いところです。

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◇◇

(2020/02/27)
当日の様子が掲載された「矢倉小学校PTAだより・ふれあい通信」が先日発行されたようです。

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ありきたりなレポートに終わらず、丁寧にかなり細かい内容まで拾ってまとめていただいており、感謝の限りです。
当日の参加者アンケートの声も表面的な理解ではない「深いとこまで伝わったノ」感のあるものが散見され、非常に有意義だったと実感できます。
ありがたや、ありがたや~
コレを糧に、また他所でも精進したいと思います。
ありがとうございましたノ

◇◇



共通テーマ:学校

映画『his』親子鑑賞会 [プチお知らせ/日々の小ネタ]

2020年になってほどなく、我が娘・満咲からタレコミ情報がもたらされました。
………というコトの発端は、先日のツッコミブログのほうでもありましたが、

 → クィアリーディングのその先の「もっと違う設定」
https://stream-tomorine3908.blog.ss-blog.jp/2020-01-24_PretendQueer

こちらはソレとは別件です
(もっとも内容的に通底していなくもないですが)。

『his』って映画、めっちゃ良さそう!」

「どれどれ……!?」

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※『his』画像はすべて公式予告編からのキャプチャ

→ 映画『his』公式サイト
https://www.phantom-film.com/his-movie/

→ 映画『his』予告
◇◇


◇◇

こ、これは……っ!

今どき、性的少数者が登場する映画、もしくは何らかのクィアセクシュアリティを描きこんだ作品、これはもう珍しくないというか、あって当然というところまで到達してきた令和の時代なのですが、そうは言ってもセクシュアルマイノリティと家族・親子関係などにフォーカスを当てる物語となると、ワタシたち的には見逃せない内容です。

以前にも『彼らが本気で編むときは、』をいっしょに観に行ったレポートは当ブログに上がっているとおりですが……

→ 「彼らが本気で編むときは、」親子鑑賞会
https://est-tomorine3908.blog.ss-blog.jp/2017-03-21_kareAM

……このたびまたぞろ『his』親子鑑賞会が実施されることと、こうして相成りました。


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……というわけで1月下旬、やって来ました、JR二条駅前はTOHOシネマズ二条。
駅前の商業施設BiVi二条の中にあります。


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『his』をやってるからというわけでもないでしょうが、TOHOシネマズのフードコーナーで取り扱われているチュロスが「レイン棒」になってました。


---(2020/02/14)---------------------
TOHOシネマズ二条での上映はすでに終了しておりますが、京都では月末より「出町座」での上映が予定されています。




◇◇

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出町座は立地もなかなかエモいロケーションの素敵な映画館です。
ゼヒこの機会に鴨川デルタもほど近い出町柳の商店街まで足を伸ばしてください
(……そういえば2018年の9月に『1999年の夏休み』を出町座まで観に行ったレポート、ブログ記事にしそびれたままになってるなぁ;)
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そして上映。
~つつがなく『his』鑑賞終了。

かくして親子で感想などの交換タイムに突入です
(大きなネタバレは避けていますが、若干の踏み込んだ内容紹介はあります)。

「いゃ~ソラちゃんが可愛かったわー」

「やっぱキーパーソンやしな…。特に同じポジションとも言える『彼編む』のトモちゃんは小学校高学年、『弟の夫』のカナちゃんが小学校低学年なのに対して、ソラちゃんは就学前というのが、いろんな意味で独自性があったし効果的やったんやないかな」

「『his』ならではの味を出してた。たしかにね。……でもソノ例の3人、全員とも女の子な設定なんはなんでやろ??」

「ソコはいろいろ絡まってるやろうナ; さしあたりは《男の子だともうちょっと因習的な反応をしそう》みたいに観客の多くがステレオタイプを抱いているとしたら、女の子に設定しておくほうが作劇上スムーズとか」

「面倒くさいな; みんな男とか女とかにこだわりすぎ」

「なにはともあれ、良い意味で《「性的少数者の苦悩に真摯に寄り添った感動作!!」ではない》映画なのがヨカッタ。作中世界の現実は追いついてないけど、制作陣は完全に同性愛もフツー・べつに特別なことではないというスタンスで作ってるのが自然な空気感を醸し出してると思う」

「たしかに。だいたい同性愛は物語の重要ではあっても一要素に過ぎなくなかった?」

「それなノ 性的少数者の登場に目を奪われすぎずに、家族のあり方とか婚姻制度のモンダイ、その中で親子関係とか、いろんな親密性をどうやって望ましい方向へ育んでいくか……あたりをこそ読み取りたいよな。あと舞台となってる岐阜県白川町の美しい自然や、良くも悪くも結び付きが強い田舎のコミュニティ、そんな町に忍び寄る人口減少や高齢化……とかも」

「渚と玲奈さんで、一般的な男女での役割分担(「男は仕事・女は家事」的なやつ)が逆なのもヨカッタ。あの設定ゆえに例えば家事・育児と仕事の両立とかのテーマが決して女性ジェンダー側だけのモンダイではないと示せるし、その他いろんな結婚や離婚をめぐる諸案件から《男女ルール》が相対化できてる」

「だからこそソコに迅と渚のゲイ設定も効果的に絡んでこれるわけやしな。てか、あのあたりの作劇、フツーに男女で描いたらめっちゃありきたりで凡庸なお話になっちゃうのが、こう捻ることで上手いことテーマの深いとこに届いてるワな」

「裁判のシーンもしかり。基本的には立場が《男女逆転》してるところへ、世間一般のホモフォビアが効果的に挟まれる点が、フィクションの映画としては見ごたえがあるんちゃうかな」

「たしかにねー。あと裁判のシーンについては、ゲイをカミングアウトしている弁護士さんが監修役として協力しているおかげで、めっちゃリアルな感じやったね」

「ちょっと恐いくらいに; …てかアレが裁判なんやったら、なんかついていかれへん人とかもおるんちゃう?」

「どうしても法廷は基本的に勝つか負けるかの駆け引きの世界なんやなぁ…」

「それゆえに本作では裁判の結末を別の価値基準に移し替えるわけか」

「せやな。結局どっちが勝ったとしてもやはり後味は悪いわけで…」

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「その意味ではラストは含みを持たせてあったけど、自分的にはもう、みんなでいっしょに暮らしたら? …って提案したい。ソラちゃんと迅と渚に玲奈さんも含めてシェアハウスすればエエやん」

「………あと美里さんもノ」

「なるほど!」

「そういう世界線は、ぜひともどこかに存在してほしい」

「激しく同意ノ …だいたい、愛し合う2人に閉じた関係こそが最も尊く、かつそれが家族を形成するうえでの核であるって前提、きゅうくつすぎる。もっと自由にメンバーを構成できればイイのに」

「そのあたりは今後クィア論でも家族社会学でも議論を深めていくべきテーマやな」

「ところで、迅が同性愛者だという事実がはからずも大勢の前で明るみになっちゃうシーンあったやん? あそこめっちゃオモシロイのに、なんか他のお客さん、笑うのを遠慮してなかった?」

「笑うのははばかられるからもっぱら真顔のまま観続けてた、もしくは笑ってイイところかどうかの判断がつきかねてた、って感じかなー」

「もしくは、そもそも笑うところだと認識できていないのかも…」

「たしかに性的少数者のセクシュアリティを上から目線で見下して面白可笑しく馬鹿にするような嗤いは(「保毛尾田保毛男」時代にはあったとしても)今どき許されない。けど、あのシーンはソレとは違うもんな。むしろ制作側がクィアセクシュアリティを当たり前に存在するものと位置づけたうえで、だからこそ《普通に》コメディタッチに仕上げた場面やと思う」

「いろんな行きがかりの偶然のコンボが見事にキマる様子はめちゃ笑えるし、そういう展開のオモシロさと、しかし一方でその状況がめちゃシビアであることとの両立は可能やん」

「登場人物が陥った状況に至るコミカルさを、その人物が性的少数者だというだけで、通常ならする笑いを控えるのだとしたら、ソレは逆に差別になっちゃう。……とはいえ、そこらへんの見極めができるためには相応に訓練された人にならないと難しいしなぁー」

「………セクシュアルマイノリティやからって、そんなにいつも常に腫れ物に触るような応対を必ずせなアカンなんてことないのに」

「フツーに接する、という真のノーマライゼーションがナチュラルに実現するのが理想やわな」

「……あっそうそう、あと迅のサラリーマン時代の回想シーンで、居酒屋で飲み会してるときに隣に座ってる人が《迅は男性と同棲してた(つまり「ホモ」なのでは)》という案件について指摘してくるシーンで、《センパイ今どきそういうの言っちゃダメ》と反応する(でも先輩相手だからか強くは言い切れてない……という描写もリアル)反対側に座ってる人いたやん?」

「おぉっ貴様も気になったか!? あの人、見た目は男性と判断できるけど、声は女性のように聞こえる……」

「…やんな!? つまりいわゆるFtMのトランスジェンダー男性なんちゃうかな(もしかして「X」系かもしれない等の細かいところまでは置いとくとしても)」

「特に明言はされへんかったけど、そういう裏設定で描き込まれてる可能性は低くないな。……性的少数者がどこにでもいること、それこそが普通だという制作側のスタンスやろうし」

「めっちゃさりげない描写やけど、こういうのがやっぱ大いに意味あるやろ。コレ、気付いてくれる人が多いとイイなぁ」

「……たしかに! てかオマエもよく気付けたナ(娘よ、腕を上げたな)」

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……とまぁこんな感じて話題は尽きなかったのですが、それだけこの映画『his』のクォリティが高いということでもあるでしょう。
興味を持たれた方は、ゼヒ迷わず観に行ってみてくださいノ


ちなみに上映中、私たち親子が揃って、いちばんウケた、というか声を潜めて笑いを忍んだシーンは、じつは上述の箇所ではなくて、

渚を担当していた離婚調停員の
「子どもが健全に育つには家庭に(普通の)お父さんとお母さんが揃っていることが肝要だ(という考えが世間一般では強固です)」
というようなセリフのとき。

いゃいゃぃゃぃや!!
ウチの娘(本人にとっては「自分が」)、めっちゃ健全に育ってますからw

……その意味でも【家庭環境・家族の多様性】というものについては、こうして「LGBT」の観点を補助線に当てることも活かしながら、論議の視野を広めていきたいものですね。

◇◇

※白川町は岐阜県の美濃地方の「町」です。
合掌造りの里として世界遺産にもなってるのは飛騨地方の白川「村」とは異なります。
……てゆかワタシたち、2015年の《夏の母娘男旅》で両方とも訪れてましたワ

→ 夏の旅行2015年は岐阜県の山あいを歴訪
https://est-tomorine3908.blog.ss-blog.jp/2015-08-31_GeroGassho

実際ドライブしてみても、両町村はかなり離れてましたね。

◇◇

  

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2020年もヨロシクです [プチお知らせ/日々の小ネタ]

新元号・令和も2年。
そして西暦でも2020年代へと突入しました。

まさに気分は新時代
古い因習的な価値基準は、もはや20世紀の昭和の彼方へ置いて行きたいものです。

というわけで皆々様方、本年もどうぞよろしくお願いいたします。

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