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必見!うだつが上がる町並 [プチお知らせ/日々の小ネタ]

さて、高知での講演の仕事に合わせて四国内の課題もクリアしていくぞシリーズ、前記事までのとおり、結城友奈聖地巡礼四国カルスト、もちろん仕事も完遂しました。

一夜明けて、愛媛県のとある街並みの北側などには、晴れた朝の日差しに照らされて穏やかに広がる瀬戸内海の淡い青も優しく広がっています。

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……なのであとは帰るだけっちゃーそうなんですが、じつはあともうひとつ、帰路のついでに寄りたいポイントがあるのです。

それが標題のうだつが上がる町並」というわけです。


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徳島自動車道の「美馬」や「脇町」といったインターチェンジを最寄りとして、それはあります。
(「徳島自動車道を走って淡路島経由で帰るコース選択は今回が初めてやし楽しみノ」などと思いつつ、「NEXCO西日本 高速道路ガイドマップ中国四国版」を広げて、ルートを確認しています)


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てことで大いなる清流・吉野川に沿って旅程を進めましょう。


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そうして前述のように「美馬」もしくは「脇町」インターチェンジを降りた県道12号線沿い、「道の駅 藍ランドうだつ」にクルマを止めると、この情趣あふれる古い町並みにアクセスできるのです。

これぞ徳島県美馬市、脇町地区の「うだつが上がる町並」なのです。


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道の駅の駐車場からは、上手いことアプローチが工夫されています。


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そしてこの2階から突き出した袖壁、ズバリこれこそが「うだつ」、漢字で書くと「卯建」に他なりません。


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このように説明のボードも立っています。

すなわち、元々は防火目的の実用的な工夫で設えられていたものの、明治以降は富の象徴としての装飾の意味合いが増したことで、この「うだつ」を設備できないことを揶揄する表現としての「うだつが上がらない」が生まれ、やがて慣用句にもなっていったということなんですね。


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ということで、いっぱい「うだつが上が」っています。


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町立図書館の建物にも、この卯建を備えた家屋が利用されていたのですね。
こういう、伝統と近代の融和、これもまた良いですねぇ。

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 (画像はイメージです。出典:いらすとや)◇◇

とはいえこの脇町地区、わりと上手いこと観光スポットとしてがんばっている感じではあるですが、そうなるといささか商業的に俗化した気配が出てしまうのは痛し痒し;

古い町並みの独特の情趣がアピールポイントなのに、アピールが成功することでソレが減退してしまうというのは、このタイプの観光地の宿命的な課題かもしれません。

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 (画像はイメージです。出典:いらすとや)◇◇

……ただ、
そうした点をお嘆きのアナタ!

そんなアナタにオススメの穴場があるのです。
すぐ近くに!!


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それがこの、つるぎ町の貞光地区
徳島自動車道の美馬インターチェンジを降りて、ひょいひょいと吉野川に架かる橋を渡ると着きます。

しかも見てください。
こちらの「うだつ」、ご覧のように2段になっています。

そう、世にも珍しい二層式卯建!


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そんな「二層うだつ」の家屋で現役の商店が営業中というのも、なかなかエモいことではないでしょうか。

余談ながら、この道路、そもそもは剣山へ通じる街道という由緒だったりしますね。


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なので「まちなみ交流館」の建物も、立派な二層卯建になっています。

この「まちなみ交流館」は、館内にもいろいろ展示があり、またトイレ休憩にも対応しています。
また、この手前のスペース、じつは観光客がクルマを止めてもよい正式な駐車スペースらしいです(この奥にも数台分ありました)。

……ワタシもそのあたりちょっと下調べの詰めが甘かったのですが、できれば出発前にもうちょとネットを検索するか、さもなくば「道の駅 貞光ゆうゆう館」に立ち寄って情報収集しておけばよかったかも;

 → つるぎ町 公式サイト 観光案内ページ
  https://www.town.tokushima-tsurugi.lg.jp/docs/3457.html

 → つるぎええとこ.com 道の駅 貞光ゆうゆう館 案内ページ
  https://www.tsurugi-eetoko.com/kannai

◇◇
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でもって、その「まちなみ交流館」が佇む奥、そこに「旧永井家庄屋屋敷」があります。
これがまた良いのです。


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背後の山も借景にした、かつての庄屋屋敷、全体から独特の情趣が立ちのぼっています。


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内部も丁寧に保全され、キレイな状態ですね。


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庭も手入れが行き届いています。


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蔵もあります
(写真右端には井戸もちょっとだけ写ってるんですが…)。


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蔵の中を改装して、こうした往年の雛人形等々の展示もされたりしています。


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「まちなみ交流館」から街道を200メートルほど南に行くと、こちら「織本屋」も公開されています。
かつての商家跡がきちんと保全されているもので、これもまた趣深いです。

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………というような次第なので、このつるぎ町貞光地区の二層うだつ界隈は必見なのです。

今のところ「旧永井家庄屋屋敷」も「織本屋」も入場無料という出血大サービスなのに、しかし観光客の大勢は脇町のほうへ行っただけで満足してしまうっぽい。
なんともったいない!!

むろん、あんまり観光客が押しかけるようになって、この穴場感が失われるのも本末転倒ではありますが、現況、やはりもう少し多くの人々から注目されてほしい。
そう思えてなりません。

ですから、徳島自動車道の美馬インターチェンジを降りたならば、ゼヒともこのつるぎ町貞光地区へと足を運んでみてほしい、と、この記事を読んだ皆さんには切に望みたいです。

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そんなこんなで、仕事に合わせていろいろと立ち回った今回の四国行脚もようやく終わろうとしています。
吉野川の優しい流れに見送られた先には、大鳴門橋や明石海峡大橋を含む家路が待っているのでした。

ありがとう四国!

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