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岡山で小児保健協会学術集会 [出演・イベントなど]

来たる2012年9月27~29日、
第59回 日本小児保健協会 学術集会 が、岡山で開かれます。

 →詳しくは公式サイトで
http://www2.convention.co.jp/59jsch/


このうち 29日(土) 10:00~11:30 の【シンポジウム3】にて、
4人目のシンポジストとして佐倉智美が登壇します。


シンポジウム3
性同一性障害診療の実際と子どもに関する課題
モジュレーター:光嶋 勲(東京大学形成外科・美容外科)
        中塚幹也(岡山大学病院ジェンダークリニック/GID学会)
性同一性障害とは:若年受診者における診療のコツ
 松本洋輔(岡山大学病院精神科神経科/岡山大学ジェンダークリニック)
性同一性障害(gender identity disorder : GID)に対する手術療法
 関 征央(東京大学形成外科・美容外科)
性同一性障害のホルモン療法と子どもへの対応
 中塚幹也(岡山大学病院ジェンダークリニック/GID学会)
子どもにとってのGIDと社会のコンフリクト
 佐倉智美(NPO法人SEAN/クィア学会/大阪大学大学院人間科学研究科)


この小児保健協会学術集会は日本小児科学会と並ぶ子どもの保健医療にかかわる学会で、例えば今回も となりのシンポジウムは『ワクチンで防ぐ子どもの病気』だったりします。
そんな中、会場が岡山ということで、全体のコーディネイトをおこなったのが、現在では国内での「GID診療の総本山」との呼び声も高い岡山大学であるため、当該テーマもシンポジウムに盛り込まれた形でしょうか。
ただ結果的には、かかるガチ医療系の学会にワタクシ佐倉智美が「社会学の分野から道場破りに来ました~♪」というような感じになっているのは、……やっぱ気のせいだけじゃないですよねぇ(^o^;)。
この場違い感! というかアウェイ感がMAXな状況にプレッシャーもひとしおなのですが、それでもせっかくの医療系の方々に社会的アプローチについて伝えられる貴重な機会。
やはり「社会学的に見れば性同一性障害の『障害』とは本人に内在する disorder ではなく、本人のありのままのありようと周囲の社会に存する相互行為規範が起こしている摩擦 conflict なのである」くらいは言ってきたいところです。
もしくは「GIDを個人の病理に還元してしまうのではなく、社会関係という場で起きている公共の事実と捉えていく視点も重要」とか……。
はてさてこのはからずも実現した異種格闘戦(!?) いったいどうなることでしょう?
ご事情の許す方はぜひとも岡山いらしてください。

 

◎というわけで無事終了しました(2012/09/30)

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どうしてもまだまだ広くは知られていないテーマだけに、他の3登壇者のお話も基本的な内容が中心で、全体的に時間不足だったことともあいまって、細かいところを掘り下げる余裕は持てずに終わった感はなきにしもあらずですが、私の社会的なアプローチの提起も含めて、多角的に課題が示されることで、問題への関心が深まった有意義なシンポジウムとなったと言えるでしょう。

特に最初に松本先生が「『トランスジェンダー』の人たちの生きづらさを緩和するために、医療がかかわる際には何か診断名が便宜上必要なので、そのための形式上の建前が『性同一性障害』」という主旨を明言してくださったのは、今後の取り組みにおいて医学と社会学が協調していくうえで大きな意味を持ったのではないでしょうか。

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とはいえ前夜の懇親会は、地元の保存会の方々が備前神楽を熱演するなどのアトラクションもあり、盛会だったのですが、ワタシ的には他の皆さんが談笑する話題が「免疫が……」とか「看護の……」とかで、やっぱめちゃめちゃ「懇親」しにくかったです(^^;)。
結果、飲んで食ってばっかりで失礼しましたm(__)m

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ちなみに岡山なのでお土産にきびだんごは定番として、「岡山のもも」はガチの桃ではなくて桃をかたどったお菓子なのです。
パッケージまで農産物風にしているのは、「紛らわしい」というクレームを心配しちゃいますが、これもまぁ関西のイチビリ精神にも通じる遊び心だと言えましょう。


 


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