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JR摂津本山駅2015withトイレをめぐる冒険 [プチお知らせ/日々の小ネタ]
さて、今年も甲南大学のジェンダー論の授業に出講する時期になっておるのですが、昨年度その際に紹介したJR摂津本山駅の新駅舎について、続報を持って帰ってきました。
昨年度は駅前広場の工事が残っていましたが、現在ではそれも終了しています。
駅前のビルから駅前広場を俯瞰した様子。
※いずれも甲南大学へアクセスする駅北側の駅前広場
そしてモンダイのトイレ。
昨年度は未チェックに終わり、JR西日本のwebサイト情報では「バリアフリートイレが男女別にある」問題が疑われていたのですが、さて、その真相やいかに!?
なるほど!
女性用トイレのほうと男性用トイレのほうに、それぞれ1ブースずつバリアフリートイレが設置されているものの、必ずしも各々が女性用男性用と厳格に定められているわけでもないという、いわゆる玉虫色の設定だったようです。
「一般トイレはちゃんと男女別になってるんだから、障害者用トイレもそうでないのは差別」という意見と、「バリアフリートイレが男女別になっていることこそが性的少数者に対するバリア」という相反する意見の、両方に応えようとするならば、こういう設計はその要求には見合っているのかもしれません。
あとこの案内図プレートによると、男性用の中にもベビーキープやオムツ替えベッドなど「イクメン対応設備」が用意されているのは好ましい「いまどき」さです。
「パウダーコーナー」は、たしかに男性用の「パウダー」コーナーとなると一般的な社会通念に照らせば若干の違和感もないではないですが、さりとて「普通の」男性であっても、髪の毛くらいは直すでしょうから、やはり本来は以前から必要なものであったと考えてしかるべきです。
こうした要素におけるジェンダーイコーリティもまた、嬉しい先進性だと言えますね。
ちなみに、この摂津本山駅のトイレ、旧来の駅のトイレの常識をくつがえす、まさかのウォシュレット付き!
昨今は高速道路のサービスエリア・パーキングエリアのトイレがめざましく進化していることに比べると、鉄道駅のトイレの状況は後れを取っている印象がまだまだある中で、こういう事例は大いに評価すべきですし、これが鉄道駅においてもトイレのスタンダードになっていってほしいものです。
なお、例えば以前に紹介した阪急電車の西山天王山駅がそうであったように、バリアフリートイレを複数設置する場合でも、男女別トイレとは別の動線上に配置して、性別を指定しない運用をすることが、近年の主流という傾向は見られます。
この京阪電車の渡辺橋駅なども、その一例です。
(ちょっと写真の写り方がわかりにくいですが、奥の男女別トイレの手前にバリアフリートイレが2ブースある)
やはり、このようなカタチがベストという気はしますね。
また、くずはモールの話のときにもトイレに関して少し触れましたが、バリアフリートイレが「どなたでもご利用ください」運用なケースも標準化されてきているようです。
ただ、油断するといまだにこのような「障害者専用」運用の世界もあるようなので、ノーマライゼーションの道のりは長いということなのかもしれません。
いろいろ事情はあるでしょうが、可能な限り「禁止」ではなくマナーの啓発で対応してほしいところです。
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