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いよいよ小説出版!『M教師学園』 [執筆・著書]

あの、かつて発行していた有料メールマガジンに連載され、そのアブナイ描写(!?)ゆえに掲載号が迷惑メールに分類されてしまう“事件”も起きた、小説『M教師学園』が、書籍として出版の運びとなりました。

なおペンネームは、従来のノンフィクション系既刊と揃えて【 佐倉智美 】となっています。
 ([桃山ミユキ]名義の書籍デビューは見合わせました)

また書籍化にあたって「アブナイ描写」はかなり毒抜きしました(^^ゞ
 (同じモノを読んでもwebと紙では印象がちがってくるのに合わせて)


というわけで、2009年6月刊行(^o^;)ノ

佐倉智美『M教師学園』
作品社より税別1600円
ISBN-10: 4861822394
ISBN-13: 978-4861822391

アマゾンでも↓好評(?)販売中

※「アブナイ描写」についての、「あとがき」での解説は↓こちら↓

むろんこれらは単に物語を盛り上げるために過激な内容に走ったということではなく、いちおうは作品としての意味があるつもりである。
男性として持て余すほど抱えてしまう性の衝動と、異性愛的な規範の中で喚起され続けるその欲望の満たし方。結果として招来してしまう女性との不均衡な関係性。さらにはこれらと表裏一体である、男として要求される社会的な役割が、個々の男性に対して抑圧的に生きづらさを生じさせている社会構造。
つまり、そうしたものを教師という職業を通じて、ついでに現代の教育問題などもからめながら描ければイイな……という企図であった。
その先にはまた必然的に、男女二元的な性別制度異性愛およびモノガミー規準にとらわれない、もっとしなやかでオープンな性的関係性も展望される。明示的であってもなくてもいわゆるセクシュアルマイノリティとおぼしき登場人物が複数いるのはそのためでもある。(中略)
このあたりが――、これまで性同一性障害の社会学的アプローチによる論考や自伝的ノンフィクションなどを中心に著作を重ねてきた佐倉智美が、なぜ今度は小説なのか? しかもこんなある意味ありがちなモチーフで? そんな疑問の解答になっているのではないかと思う。
まぁ小説の読み方に「正解」はないので、なにはさておきオモシロく読んでいただければ、それでいいんですケドね。

※メールマガジン連載時の作品紹介webページでの解説内容は↓こちら↓

――M教師のMとは「問題」の頭文字。
指導力不足や不適切行動などをともなうさまざまな問題教師たちを指す隠語である――。
この小説は、作者のかつての高校講師時代の体験をもとに、
ジェンダーやセクシュアリティにかんする呪縛に起因する現代の男たちの心の闇を、
教師という職業を通じてあぶり出す物語である。


  □□主要登場人物相関図□□

    ◎最初の年度◎
   ┌────────────┬──────────┐
   │  百合靖彦【主人公】 ├──┐ 【元生徒】 │
   └─────┬──────┴┐ │ 須本彩頼  │
 ┌───────┤ 垣上碧集  ├┐└──────┬┘
 │ 岡部知則  │ 嶋塚由梨  ││ 橋口鈴音  │
 │ 椀田恭太郎 │ 柳井芽美  ││ 在国寺京花 │
 │ 中本佑輔  │ 堀切麻里子 ││ 野俣康子  │
 │    【第二職員室】    ││  【生徒】 │
 └───────────────┘└───────┘

    ◎2年目の年度◎
   ┌────────────┐ ┌─────┐
   │  百合靖彦【主人公】 ├─┘【生徒】 │
   └─────┬──────┴┐ 杉原千秋 │
 ┌───────┤ 垣上碧集  │ 棚畑稔璃 │
 │ 井坪周一郎 │ 嶋塚由梨  ├┐     └┐
 │ 中本佑輔  │ 柳井芽美  ││ 【元生徒】│
 │ 轟木豪男  │ 堀切麻里子 ││ 在国寺京花│
 │    【第二職員室】    ││  橋口鈴音│
 └───────────────┘└──────┘

  □□あらすじ□□
教員採用試験合格をめざしながら高校の非常勤講師を続ける百合靖彦の4年目からの勤務校は私立・安治川女子高校
女子校ならではのノリの生徒たちや、第二職員室の若い講師仲間とすごす日々は、相応に楽しく充実しているものの、将来の不安や、教頭との確執、あるいはよりよい教育の追求など、課題も少なくない。
そしてそんな靖彦にはまた、男としての欲望からくる葛藤も……。